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社会系教科教育学会は,社会的資質形成に関する教育実践の科学的研究を行い,その普及と発展に寄与することを目的とした学会組織です。

TEL. 0795-44-2306

〒673-1415 兵庫県加東市下久米942-1

シンポジウムテーマ
 社会系教科教育は
主権者の育成にどう取り組むか

 改正公職選挙法成立によって,選挙権が20歳以上から18歳以上に引き下げられる。こ のことから主権者の育成が大きく耳目を集め,各校種の教育課程への位置づけと授業実践 のあり方が模索されている。小・中学校においては特別の教科「道徳」の導入を目前に して,道徳教育における主権者の育成が課題の一つとなっている。市民的資質の育成を中 核とする社会系教科教育においても,大きな課題である。
 小・中・高等学校の社会系教科教育においては,どのような系統性をもたせて主権者の 育成に関わる学習をしていくべきかが問われている。とりわけ,選挙権をもつ高校生のい る公民科での対応が,喫緊の課題となっている。しかし,学校教育現場では,その意味や 目的に関して,大きく二つの意味合いによって,今後,混乱が生じてくるのではないかと 予想される。広義の意味合いでは,態度や価値の育成を目指し,社会に貢献できる人材を育てること を目的としたシティズンシップ教育の中核として位置付けていこうとする動きがある。狭 義の意味合いでは,選挙における投票行動を視野に入れた政治意識の高揚への希求に関す る動きがある。しかし,現状は,選挙のためのスキル学習であったり,十分な根拠に基づ かない安易な意思決定を行ったりするような学習が行われているのではないだろうか。こうした状況をふまえ,本シンポジウムでは,各シンポジストに,社会系教科教育にお ける主権者育成の在り方を,カリキュラムレベルや授業レベルで提案していただき,社会 系教科教育の原点に立ち返り検討していきたい。 

コーディネーター     米田 豊 (兵庫教育大学)・谷田部玲生(桐蔭横浜大学)
指定討論者        原田 智仁(兵庫教育大学)
シンポジスト
  佐藤 孔美(お茶の水女子大学附属小学校)永田 成文(三重大学)橋本 康弘(福井大学)

課題研究T
 初等社会科主権者の育成にどう取り組むか

 主権者教育は,「社会の中で自律し連携・協働し社会を生き抜く力や地域の課題解決を 社会の構成員として主体的に担う力」の育成を目的とし,より幅広い世代からの政治参画 が可能になったことを背景に,その推進には,@これまで以上に,国家・社会の形成者と しての意識を醸成するとともに,A子供自身が課題を多面的・多角的に考え,自分なりの 考えを作っていく力を育み,B根拠を持って自分の考えを主張し説得する力を身に付けて いくことが重要となっている(文部科学省主権者教育検討チーム)。とするならば,主権 者教育は公民的資質の育成とどのように関わるのだろう。
 初等社会科における主権者教育 について検討するとき,広義には公私と公共,社会と社会参画,合意形成,意思決定を視 点にした資質や態度育成の在り方が課題に挙げられるだろう。狭義には,政治とそのしく み,法律,税,議会と選挙,地方自治と地域コミュニティ,公共施設とサービス,災害復 旧といった関連する学習内容はどうあるべきか,学年を通したカリキュラムを構想すべき か等々,授業実践の視点に基づく多くの課題が挙げられるだろう。本課題研究では,シンポジウムでの議論を踏まえ,初等社会科における公民的資質の育 成と主権者教育の関係を整理しながら,理論と実践の双方から議論を深めていきたい。
 

コーディネーター  岡崎 均 (大阪体育大学) 
指定討論者     佐藤 孔美(お茶の水女子大学附属小学校)
課題研究発表    吉田 正生(文教大学)・笹岡 智聡(熊谷市立玉井小学校)
          植田真夕子(弥富市立日の出小学校)吉川 修史(加東市立滝野東小学校)

課題研究U
 中等地理・歴史教育主権者の育成にどう取り組むか

 本課題研究の主題である「主権者の育成」を「主権者教育」と同義とし,主権者教育を 「民主主義社会における政治参加意識を高めるために,国や社会の問題を自分たちの問題 として考え,捉え,行動していく主権者としての素養を身に付ける教育」(橋本康弘,2016) と捉えると,主権者教育は,「国や社会の問題を自分たちの問題として考え,捉える」も のと,それらをもとにさらに「行動していく」ものの二つに分けることができる。それら を仮に「思考・判断型主権者教育」と「参加・行動型主権者教育」と呼ぶならば,「主権 者としての素養を身につける」という前提(目標)のもとでの主権者教育(とりわけ中等 地理・歴史教育における主権者教育)においては,これら二つの立場を両極にして,何を どのようにどの程度学べばよいのだろうか。
 一方,次期学習指導要領改定をめぐっての今日的な学力論議においては,学力の要素と しての「知・情・意」(とりわけ情・意)をどのように扱え,組み合わせ,育てれば良い かが大きな課題となっているがこれは社会系教科教育における主権者教育にもそっくり 当てはまる。また,これらの議論は,中等地理・歴史教育における「手段としての地理・ 歴史教育」(その場合,目的は公民的資質の育成となる)を目指すのか,それとも「目的 としての地理・歴史教育」を目指すのかの原理的論争とも複雑に重なっている。
 本課題研究においては,これらの論点を解きほぐしながら,中等地理・歴史教育のあり 方について,シンポジウムを踏まえたさらに具体的なカリキュラムや授業のレベルで議論 したい。 

コーディネーター   水山 光春(京都教育大学)
指定討論者      吉水 裕也(兵庫教育大学)
課題研究発表
 中本 和彦(四天王寺大学)二井 正浩(国立教育政策研究所)宮本 英征(広島大学附属中・高等学校)

課題研究V
 新科目「公共(仮称)」の授業をどう創るか−主権者の育成を目指して−

 課題研究V「中等公民教育」では,主権者の育成を目指して,新科目「公共」の授業を どう創っていくかについて,市民性教育,法教育,実践者の各々の立場からご提案をいた だき,フロアの皆さんとともに議論を進めていく。学習指導要領改訂をめぐる議論で,最も変革を迫られている領域の一つが中等公民教育 であろう。教科の目標・内容・方法の基本原理の変革が求められているといっても過言で はない。目標面では,社会で主体的かつアクティブに行動できる市民の育成が掲げられ, 内容面では,「何を学んだか(入力)」ではなく「何ができるようになったのか(出力)」 が重視され,方法面では,アクティブ・ラーニングの導入やゲスト・ティーチャーの活用 による指導方法の変革が志向されている。
 このような状況を踏まえ,本課題研究では「主権者の育成」「新科目『公共』」「授業づ くり」 をキーワードに,これらの中等公民教育の在り方を,前向きに議論したい。各発 表者には,「あなたが考える主権者とは何か」,「主権者の育成を目指して,新科目『公共』 では,どのような授業が構想できるか」,「新科目『公共』のポイント,注意点は何か」を 明確にしながら,ご提案をいただく。そして,フロアの皆さんとも積極的に意見を交換し, 中等公民教育の“新しい,これから”を共に議論したい。

コーディネーター  中原 朋生(川崎医療短期大学)
指定討論者     橋本 康弘(福井大学)
課題研究発表    田中 伸(岐阜大学)根本 信義(筑波大学・弁護士)小貫 篤(東京都立雪谷高等学校)


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